データコレクトを利用し、kMailerを利用して送信したメルマガの開封率を求めます。
今回の設定で、必要なkintoneアプリは以下3つのアプリです。
▼kintoneアプリ側での設定
1.送信履歴アプリに2つのフィールドを設定します。
「ログアプリとメールID一致?」
と
「ログアプリとユニークID一致、開封メッセージ有り?」
のドロップダウンフィールドを作成し、選択肢として「YES」「NO」を設定します。
・「ログアプリとメールID一致?」ドロップダウンフィールド
送信対象件数を計算するために、ログアプリと送信履歴アプリでメールIDが一致しているときに"YES"のフラグを立てる為のフィールドです。
・「ログアプリとユニークID一致、開封メッセージ有り?」ドロップダウンフィールド
データコレクトで開封数を計算するため、ログアプリと送信履歴アプリでユニークIDが一致しており、かつログアプリのメッセージに「メールが開封されました」のメッセージが表示されているときに"YES"のフラグを立てる為のフィールドです。
2.メルマガ配信管理アプリに4つのフィールドを設定します。
メルマガ配信管理アプリは、1レコード=1メルマガの各種数値を管理するアプリです。
・「メールタイトル(件名)」文字列(1行)フィールド
送信履歴アプリと同じ件名のレコードを条件に集計を行う為のフィールドです。
・「送信対象」数値フィールド
送信件数を格納するフィールドです。
・「開封数」数値フィールド
送信件数のうち、メールを開封した数を格納するフィールドです。
・「開封率」計算フィールド
このkintoneレコード内の開封数から送信対象を割って開封率を計算する為のフィールドです。開封率はデータコレクトでも計算することが可能です。
開封率(kintone)
開封数/送信対象*100
▼データコレクトでの設定
1.ログアプリの絞り込み条件をデータコレクトに追加します。
データコレクトでは集計元アプリのレコード数に10,000件までの上限があるため、集計元となるログアプリと送信履歴アプリには絞り込み条件を設定することを推奨します。
今回は、ログアプリに「日時が今日から7日前以降のレコード」の絞り込みを設定します。
「絞り込み条件をコピー」したら、データコレクトのログアプリに絞り込み条件を追加します。
2.送信履歴アプリにも同様に、「作成日時が今日から7日前以降のレコード」の絞り込み条件を、データコレクトの送信履歴アプリに設定します。
3.送信履歴アプリにフィールド式を2つ設定します。
ログアプリと送信履歴アプリでメールIDが一致している場合に「ログアプリとメールID一致?」フィールドにフラグを立てる式を設定します。
IFとCOUNTIFを使い、
①ログアプリの「七日以内のメール」の絞り込み条件を選択し、
②絞り込んだ「メールID」から
③送信履歴アプリの「メールID」と一致する項目を検索し(COUNTIF)
④同一メールIDのレコード数が0より大きい場合に”YES”、そうでない場合”NO”を返す(IF)
という式を設定します。
ログアプリとメールID一致
= IF(COUNTIF(ログアプリ!七日以内のメール!mail_id,mail_id)>0,"YES","NO")
IF(論理式, TRUE値, [FALSE値])
・論理式 - 論理値(TRUEかFALSE)を表す値です。
・TRUE値 - 論理式がTRUEの時に返される値です。
・FALSE値 - [省略可]論理式がFALSEの時に返される値です。指定しない場合はFALSEです。
COUNTIF(範囲, 検索条件)
・範囲 - 検索条件と比較して検証する範囲です。
・検索条件 - 数値や文字列で指定します。
4.メールの開封有無を確認するための式を送信履歴アプリに設定します。
①ログアプリの「七日以内のメール」の絞り込み条件を選択し、
②絞り込んだ「ユニークID」から
③送信履歴アプリの「ユニークID」と一致し、かつ
④メッセージが「開封されました」の項目を検索し(COUNTIFS)
⑤この条件に合致するレコード数が0より大きい場合に”YES”、そうでない場合”NO”を返す(IF)
という式を設定します。
ログアプリとユニークID一致、開封メッセージあり
= IF(COUNTIFS(ログアプリ!七日以内のメール!unique_id,unique_id,ログアプリ!七日以内のメール!message,"メールが開封されました。")>0,"YES","NO")
IF(論理式, TRUE値, [FALSE値])
・論理式 - 論理値(TRUEかFALSE)を表す値です。
・TRUE値 - 論理式がTRUEの時に返される値です。
・FALSE値 - [省略可]論理式がFALSEの時に返される値です。指定しない場合はFALSEです。
COUNTIFS(範囲1, 検索条件1, [範囲2, 検索条件2, ...])
・範囲1 - 検索条件1に対して検証する範囲です。
・検索条件1 - 数値や文字列で指定します。
・範囲2, 条件2, ... - [省略可]検証対象となる追加の範囲と検索条件です。
5.メルマガ配信管理アプリにフィールド式を3つ設定します。
まずは「送信対象」のフィールドに式を設定します。
①送信履歴アプリの「七日以内のメール」の絞り込み条件を選択し、
②絞り込んだ「件名」と
③メルマガ配信管理アプリの「メールタイトル」が一致しており、かつ
④送信履歴アプリの「七日以内のメール」で絞り込んだ「ログアプリとメールID一致?」が「YES」のレコード数を合計する
という式を設定します。
送信対象
= COUNTIFS(送信履歴アプリ!七日以内のメール!subject,メールタイトル,送信履歴アプリ!七日以内のメール!送信対象,"YES")
6.次に開封数のフィールドに式を設定します。
①送信履歴アプリの「七日以内のメール」の絞り込み条件を選択し、
②絞り込んだ「件名」と
③メルマガ配信管理アプリの「メールタイトル」が一致しており、かつ
④送信履歴アプリの「七日以内のメール」で絞り込んだ「ログアプリとユニークID一致、開封メッセージ有り?」が「YES」のレコード数を合計する
という式を設定します。
開封数
= COUNTIFS(送信履歴アプリ!七日以内のメール!subject,メールタイトル,送信履歴アプリ!七日以内のメール!開封チェック,"YES")
7.メルマガ配信管理アプリに開封率を計算する式を設定します。
開封数を送信対象で割り、開封率を算出します。
開封率
= 開封数/送信対象*100
8.「DataCollectする」を押すと、設定したフィールドに計算された値が反映されます。
送信履歴アプリで計算した情報をもとにメルマガ配信アプリで開封率を計算するため、
送信履歴アプリ→メルマガ配信アプリの順にDataCollectを実行することを推奨します。